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枯れ葉の流れ着く先 【幻:前編7】 「Fictoin Story」 [小説〔Story〕]

   ☆=Story【前編6】からの続きです、是非下欄【前編7】をお読み下さい=☆ 

  《鈴鹿サーキット》 Round 5 (07/12)  

  スクールのマイクロバスが家まで迎えてくれた今日から鈴鹿でのレースに向かう、鈴鹿まで約4時間から4時間半のドライブ、俺は迎えに来たレーシングスクールのマイクロバスに乗り込んだ、先ずは運転席に座って笑顔で迎えた竹田君に挨拶をかわす 「お早うッス!」 竹田君、俺に顔を向け 「お早う御座います!ご苦労様です」 何時もの様に清清しく礼儀正しく挨拶をかわす竹田君の運転で途中監督と変わるらしい、

 明日からのレースに備え後部座席にて体を休める事にし、バスの中ほどに進む、レサーの卵達の弾んだ話し声で賑あっている、バスの中ほどで生徒達に囲まれて何やら楽しそうに受け答えをしている監督と軽く会釈を交わす、監督を囲む様に生徒達が十五人位座っている、夢と期待にキラキラ輝いた瞳が俺に向かって一斉に集中し

 「宜しくお願いします」 と挨拶  俺は慌てて 「やぁ、こちらこそ」 まだ何かを期待した無数の瞳が俺を催促 俺は逃れる様に 「監督から指示があったと思うがよろしくね!」 生徒達頷き、元気の良さそうな生徒の一人 「はい!監督から聞いています、タイヤ交換や給油ですよね」

 俺は思わず笑顔で答えたが 「慌てず 安全で的確を重視してください!」今度は真剣な表情で 「ですが! レースは一秒を争う競技です 状況の判断と素早い作業が要求されます 暗反する作業ですので真剣にお願いします」 普通の学校とは違って本当に車好きでレースが大好きな人達である、先輩のレーサーから何でも吸収しようと好奇心と憧れの眼差しで痛いほど見詰められ、俺もレースを始めた頃を思い浮かべて、生徒達一人ずつ目を合わせ会釈をした。

 生徒の一人が得意げに俺に話かけてきた 「ピット作業は少しでも早くでしょう」 生徒達の輝いた目に迎えられ、俺は監督と目を合わせ思わず苦笑する 「あぁーそうだ 一秒でも速く!、それに 繰り返す様だがあくまで安全第一に怪我の無いように・・ 又 レースにはアクシデントは付き物だが 効率よく作業をこなす事を心掛けて監督に従ってください」 生徒達は何かを吸収しようとする輝きのある目で一斉に俺を見詰める 質問してきた生徒 益々瞳が輝き明るい笑顔を見せ 「はい!気を付けます」

 他の生徒達も これから起こる期待で一杯 彼等は今からエキサイトして友達の間で甲高い声が飛び交っている、 監督は説明指導の為 生徒達のグループに混じって席をとって生徒の質問に答えている、

 俺は彼らや監督から離れ静かな一番後ろの席に移動した、奥に進むと 何時も竹田君の運転席の隣にいるはずの久美ちゃんが一人ぽつんと後部席に座っている、今日はおかしいなと思いながら、

 俺は久美ちゃんの隣の席に座り 「よう!宜しく 相変わらず可愛いね」 久美ちゃん、俺の顔を見てホットしたような笑顔で挨拶代わりに 「また!誰にでも言うんでしょう・・何か飲みますか?缶ジュースかコーク・コーヒーがありますが」

 「ありがとう、じゃーコーヒーにして」 缶コーヒーを受け取りながら 「俺 少し寝るから夕飯の時に起して」 久美ちゃん しょうがない人ねと言う様な顔で 「夜遊びが過ぎるから 眠いでしょう」 俺は曖昧に笑いながらまだ何か話かけようとする久美ちゃんに 「ああ眠い」 と呟きコーヒーをサイドホルダーに入れ薄手のチームの宣伝の入ったパーカーのフードを頭から顔を隠す様に被りそのまま暫らく寝てしまった。

海老名サービスエリア-1.jpg 東名高速の海老名SA(サービスエリア)夕方5時半頃、肩を揺り起こされ、目の前に久美ちゃんの顔が余りに近くに迫って覗き込む様に俺を見詰めていた、

 俺は驚き思わず 「おぉ!・・ビックリしたな!」 「・・!」 俺の言葉に無言でただきょとんとしていた  俺は急いで冗談で 「美人のお化けが迫って来て 俺の純真無垢な唇 奪われるかと思ったよ」 久美ちゃん俺をきりりとした目つきで睨むように 「もう!どうせ私はお化けでしょうから・・皆食事を採るそうよ、監督達先に行きましたから」

 「美人だって言っているでしょう・・怒った顔が堪らなく可愛いね!」 俺の言葉を無視し 「危ないあぶない! 其れよりヨシ子先生に叱られますよ!さぁー行くわよ」 何が危ないか 聞きたかったが そんな冗談に付き合う暇もない様子だ もう車内には俺達以外誰もいない、 全員夕食を取る事にした様で 急いで後を追った。

 生徒達と監督達はレストラン街のダイニングCASAに決め、先に友達同士席を取って相変わらず楽しげな話が交差していた、久美ちゃんは俺の隣で食事を取ったが何か様子がおかしい 「久美ちゃん 竹田君の処で食事したら?」 久美ちゃんはチラリと生徒たちのケヤーをしている竹田君を見て 「いいの・・此処で!」

海老名SAうまいもの横丁.jpg 何かおかしいが まぁいいか、何か気まずい気配を感じとにかく話題を換え話しをしなければ、さっきのお化けの件もあり俺は 「久美ちゃん 相変わらず綺麗だね!」

 久美ちゃんは伏せ目がちに 「また!お世事ばっかり、本当に危ない人ね・・後で相談が有るの聞いて下さい」 何か深刻そうだが冗談で言葉をかえした 「ん・・!俺で良いの?危ないよ!」 俺の言葉を無視して 耳元に近付き小さな声だが強い口調で 「真剣なの!後で聞いてください」 後は澄まして食事を取り始めていた。

 生徒達はやはり共通の車の話で 各自友達も直ぐに出来た様子 各々気の合うグループ同士話しが弾んでいる、相変わらず生徒達の声でザワザワ賑った食事である、食事も終わり生徒達は各々グループを作りマイクロバスに戻り気の合う生徒同士席を移り変わり座っていた、

 武田君を無視した様に 又クミちゃんが俺の隣の席に乗り込んできた、俺は竹田君に対して勝手に何故か気まずい気持ちになり バスの運転席に乗り込んだ竹田君に向かって大声で 「タケちゃん 運転変わらなくて大丈夫か?」 生徒達の質問に答えていた監督慌てながら 「俺が変わっても良いぞ」と提案した

 タケちゃん 運手席に付きながらバックミラーに目を移し 俺とバックミラー越しに目が合い慌てて目を逸らし 「大丈夫です このまま行きます」監督 生徒達の間の席に戻り 「疲れたら何時でも言え!運転変わるから」 「ハイ」 と答える。

グリッドガール.jpg 高速道路でタイヤの擦れる音や風の音で話し声等、余程大声でない限り周りには聞えないと思うが 久美ちゃん小さな声で俺の耳元で呟くように 「ネェ~聞いて下さい、竹田君がレースクイーンの人と付き合っている様で いくら問いただしても話してくれないの、如何したら良いか解らなくて」 何か入り込んでいる様子だ 「そう云う話 俺には無理だよ 自分の事も良く分らないから」 久美ちゃんは耳元で 「他に相談出来る人いないの お願い!」 悲願するように呟いた、

 「俺が何かを話すとすれば男同士 竹田君の気持ちになるだろう そんな俺じゃ如何する事も出来ないよ」 久美ちゃんは尚も目で必死に訴え 「ネェ~おねがい話だけでも・ね!」 「う~ん そうだね 今回のレースが終わってから 詳しい話聞くよ! それと久美ちゃんには悪いと思うが 二人の問題、両方の話聞かなければ ね」悲しそうな目で 「レース前にこんな話御免なさい レース終わった後でお願いします」

 俺は勝手にヨシ子を持ち出す事に躊躇を覚えたが なぜか女同士 相談する方が良いと思い 「じゃぁ帰りに家寄ったらいいよ 女同士ヨシ子に相談したら?その方がいい考えが浮かぶと思うよ」 久美ちゃん元気に 「はい お願いします」 「あぁ!俺少し休むから」 「御免なさい、どうぞ休んでください」 夕べはかなり遅くまで起きていてまた眠気が襲ってきたパーカーを頭から被り寝てしまった・・・どの位寝たのか?。

クミちゃんにゆり起され 俺の携帯が鳴っている事を告げられた、ヨシ子からだ 「はい」 聞きなれた 元気そうなヨシ子の声が聞えた 「今 どちらですか?」 外を眺め久美ちゃんに 「今何処?」 「豊田市だと思います」 俺は携帯に向かい 「名古屋の豊田市辺りだよ 如何したの?」 「別に何も無いけど リュウの声聞いて寝ようかなと想って」・・急に声のトーンを変え・・「何か・・寂しいの・・」 

 「俺もだよ」 「ほんとう?今までリュウから愛しているって聞いた事ないから 今聞きたいの!」 「ええ!そうなの? 急にどうしたの! 云っている様な気がしているけど それより俺と一緒にいて判らないの」 急に大きな声で 「リュウの鈍感・今聞きたいの!ね~言って!」 なに・・なんで今だよ!と思いながら何か気恥ずかしく 小声で 「えーと!じゃぁー 愛しているよ」 「じゃぁー! じゃぁーでは無いでしょう! それに良く聞き取れないわよ」 益々小声になり口と携帯をカバーするようにして 「うん ・・愛しているよ・・ ヨシ子が一番解っているのに」

 全く!愛の安売りじゃないよ、価値が下がる様な気がした 「リュウ恥ずかしいのでしょう?女は分かっていても 確かめたい物なの! これで眠れるわ」 「まったく 解っているのに! 愛の安売りじゃないよ」 今度は ご機嫌良く 「でも聞きたかったの、リュウは直ぐにカーとなるから 気を付けて冷静にね、じゃぁーおやすみなさい」 「もぅー 俺は何時も冷静だよ!」「フッフ! どうかな?」

 「なんだよ それ!・・あのさぁー!久美ちゃんが何か相談があるって 帰りに家に寄りたいって?」 「そう分ったわ・・リュウ意地悪では無いのよ、純粋に確かめたいから 女心よ! 女は時々寂しくなるのよ」 俺は周りを見ながら小声で 「愛しているよ!・・じゃぁ 切るよ」

 電話を切ると、久美ちゃんが俺の心を探る様な眼差しで 「まぁ!幸せそうで羨ましいわ」 俺は何故か意味も無く 「ごめん へんな話 聞かしちゃって、全く照れるよな!、それより クミちゃん 余り深刻に考えるなよ、もっと色々見たりして世の中広いよ 一人に決める事無いと思うけど、其のうち良い事もあるよ」 ・・ヨシ子だったら如何対処するのだろうか?とフッと考えていた。

 何故か竹田君に対しこの気まずさを逸らす為に大声で 「竹田君運転変わろうか?」 監督達も起してしまった 監督 「俺が変わるよ!」 竹田君はサイドウインドウに右片肘を付き前方を見詰め左てをハンドルに添えたままリラックスした様子で 「大丈夫です、このままサーキットまで行きます」 目を閉じていた監督ねむそうな目を開き 「そうか、無理するなよ」 車内の生徒達は寝ている者や相変わらず話に夢中な者もいる。 

 俺はヨシ子の電話で目が覚めてしまい、クミちゃんに話しかけた 「竹田君との交際やめるつもりは無いのだろ?」 久美ちゃん驚いた様に 「ええ、まあー」 何故?そんな事を聞くのと云う様な顔で俺を見詰めた 「壊すつもりなら良いが、彼と交際続けたいのならもう何も云わないこと!、黙って助手席で竹田君の眠気覚まし(彼に話かける事)を手助けしたら?」 益々解らないとの表情で 「如何してですか?許せと言う事ですか?」

 解らん人だなと思いながら、少し声のトーンを高め 「許せなかったら如何するの?止める事が出来るの?」 久美ちゃんは、俯いて答えが見付からない様だ 「・・・」 俺は追い討ちを掛ける様に 「彼と一緒にいたいのだろう?・・素直になれよ!」 「・・」 久美ちゃんは無言でその通りと云う様に頭を立てに振った 俺は諭すように 「だったら今更知って何になるの? 互いに嫌な思いをするだけだろう、本当に彼を失いたくなく続けたいのなら いま竹田君の助手席に座り道案内の手助けをしなさい、何か解った処でどうなる物でもないよ惨めに成るだけだよ! 心無い人を無理やり引き戻して攻め立てても虚しいだけと思うけど?」 俺は追い立てるように 「今は黙って行きなさい 本気だったら久美ちゃんの処に戻ってこないよ、 きっと謝ってくれると思うよ そのうち久美ちゃんの良いところ解ってくれるよ、変な意地を張らずに一度位許して上げたら?」

 俺の話した意味がやっと少し理解出来た様で久美ちゃんはしぶしぶ返事をした 「はい そうしてみます」 「うん そのほうが良いと思うよ 行きなさい」 久美ちゃん重い尻を上げる様に 「じゃぁー話してきます」 と云って竹田君の運転する後ろの助手席に移り、一度振り返り俺を確かめる様にして 何やら竹田君と話始めた様子 一安心、俺の昔の経験から男の気持ちが解るから 出来てしまった傷を突いて広げた処で返って反発を覚え修復出来るものも出来なくなるだけ、相手の心が自分に向かわなければ なんの解決にも成らない、その辺女性は理解出来ないのかな?それとも初めから別れる気なんか無かったのかもしれない 女心は ややこしいな!

 俺の横の座席が空いたのを見定め生徒の一人が隣に座りたいのだろう 「此方の席空いたんですか、移って良いでしょうか?」 「あぁ どうぞ!」 生徒、急いで移動して俺の隣に座った 「龍崎さんは なぜこの道を選んだのですか?」 「何故って?レースが好きだから・・」これでは 応えになっていないのか?「まぁー それにより 早く走る為だけに無駄を省きテクノロジーの推移を集めた車に 魅力をかんじるだよ

 「好きだからと云って、何処まで出来るか解らないでしょう?」 生徒は自分の進む道を模索しているのか 内心何と優柔不断な奴だと思いながらも、その生徒の目は初めての経験に輝いていたが 何かが不安なのかな?何に迷っているか? 「レースが好きで来たのだろう?」 「はい」 「まだ レース始めたばかりだろう」

 「えぇー ですが」 俺は矢次早に質問をした 「ですがって 何を迷っているの? 兎に 角今は 全力で当たってみる事が大事でしょう?」 「うーん・・・いえ、何でもないです」 「とにかくやるぞ!と云う気迫が無ければこの道は進めないよ、憧れやカッコ良いだけなら止めた方が良いよ 映画や漫画の世界では無いよ 見た目は派手な世界だが 地道な努力有って結果が得られるのだよ、スクールに入ればレールに乗って行けると思っているの?」 生徒は慌て 「いいえ それは」 「ここでは基本を教えるだけだよ 其の上で考えて見ては?」 「・・・」

 「とにかく!・・君は車の運転 人より才能が有ると思ったからでしょう」 「えぇー そうですけど 此処に来てもっと上手い人が沢山いる事が解りました」 「だから・・辞めるの ナニクソと思わないの?、何時か連中を負かしてやると云う気が無ければ この世界では駄目だよ、ただ初めから上手く出来る人はいないよ」

 「えぇ そうですが・・」 「先生がよく教えてくれなかった、そんな事知らなかったとか言っていないで、走りが早くて上手い人の走りをその目で視て自分と違う所を覚えるのだよ、此処に来てどれだけ吸収できるか・・それでは何をやっても駄目だと思うな」 輝きを増した目で俺を見つめ 「はい わかりました」

  「それに 今の世の中は型に嵌め過ぎていると思うな 固定観念に縛られず 根本を見失なはなければ其々の感覚や個性も有るから 自分に合ったものを作りだすつもりでやってみたら」 「はい 有り難うございます」

 何時もより到着する時間が長く感じようやく鈴鹿についた クミちゃんも機嫌よく竹田君と話をしている、人に関わる事が嫌いな俺らしくも無く 久しぶりに熱弁をふるった事に戸惑い照れていた 本当にあぁ~ぁだ!。

suzukajpg.jpg 俺達がマイクロバスから降りるのを待ちかねた様に 前日整備と準備の為マシーンと共に到着していた 孝ちゃんが走って来た 「リュウ遅かったわね マシーン準備出来ているよ! それとキャンピンカーも綺麗に整理して掃除したからね」 「有難うご苦労さん やっと孝ちゃんの顔見れてホッとしたよ」 孝ちゃん顔をほころばせて 「もぅー リュウたら ”ホット” したなんて嬉しい事云ってくれるわね!」

 「明日朝早くコース下見するから、レースカーを見てから今日はもう休ませてむらうよ」 孝ちゃんは嬉しそうに 「分かったわ それをするからリュウはレース早いのよね、マシーンは確りチェックしてあるからゆっくり休んでね」

 「ありがとう 監督に伝えて、じゃぁーおやすみ」 俺は休む前に一人ガレージに向いマシーンを長年の癖で手で車体を押し付け車を軋ませタイヤの緩みをチェクして乗り込み、滑り込む様にシートに身を預けハンドルに手を置き、ぼんやり薄暗くなった薄霧の中のコースに思いを巡らせた。

 翌日金曜の朝、何時もの様に走るコースを確認とチェックに歩いた、複合カーブは状況により異なるが、一般的には最終カーブ出口を少しでも速度を上げ抜ける事だ、以前走っているがここ暫らく走ってはいない、コースの看板や路肩等少し変わっていたがさほど違いは無い。

 携帯が鳴りヨシ子からだ 「お早う!」 「リュウ おはよう良く眠れた?」 「うん ヨシ子は?」  「リュウの声聞いたから大丈夫 其れより朝食消化の良いもの食べなさいよ、それとリュウは短気だから冷静にね」

 「そんなに短気じゃぁないよ!、そう言えば食べるで思い出したが 少し足を伸ばせば伊勢湾、海産物が美味しいよ 牡蠣や蛤 アワビ 伊勢えび が浮かんで来るだけでもお腹空くよ、今度ゆっくりヨシ子と来たいね」 「本当?期待しているわ、私 今日から忙しくなるから 兎に角冷静にね・・いい!解かった?

 まるで母親だ 其れも悪く無い 「うん解かっているよ、其れより俺のおふくろに会うの一人で大丈夫?」 「リュウのお母さんだもの大丈夫よ心配しないで、それじゃぁリュウこそ落ち着いて冷静に頑張ってね」 「あぁ 愛しているよ」 ”気持ちを伝えなければ判らないでしょう” とヨシ子に言われ、愛の安売りには少し抵抗も有ったが、あれ以来俺は敢えて口に出すよう心がけている 「ウッフフゥ 嬉しいわ!私もよ愛している、気を付けてね!」

 一通りコースのチェックが終わり 朝食に向かった、突然俺を呼び止める声がした 「龍崎君!」そちらを振り向くと他の一流チームの監督からだ 「龍崎君 君来年うちのチームに来ないかね?」

 「ええ!・・・急に言われても」 俺は 突然 余りにも単刀直入の彼の言葉に戸惑いを覚えた、戸惑いを察したのだろう 「返事は 今で無くて良いから、ところで 今君は・・失礼だが契約金幾らむらっているの?」 「ええまぁ・・幾らと云うか・・」

 その辺は心得ているのでしょう 「まぁいい!悪い様にはしないよ・・考えておいてくれ」それだけ話 無駄口も無く立ち去って行った、

 流石に一流チームの監督 俺は暫くポカンと監督の後姿を目で追っていたが 我に返り 小さくガッツポーズ をとり ”よしっや!遂にやった!やったぜ!” 俺のドライブ・テク認めてくれたんだ!本当に嬉かった、だが反面今のチームを捨てる事が俺に出来るのか?どんなに一流チームで有ろうがスポンサーは必要だろう頭を過る、いろいろ考えるのはよそう今はこのレースに集中だ!。

 朝はサーキット内の食堂 ”サーキット ダイニング” そこはバイキング形式でボリュウムもある、我らチーム全員集まり、スクールの新人生徒達は いよいよ実体験も兼ねた研修にはいる、例の如く食事を済ませdinning-img.jpg監督の挨拶 皆の紹介が有り其々生徒達の持ち場を指示と練習に入る、此処にいる若者達は皆其々個性があるが、彼等に共通する事は目が生き生きと輝いている期待と不安で生徒達は微かに昂揚している様子だ。

 俺は午前中一時間ほど午後二時間のプラクテス走行があり、井原君や孝ちゃん達と車の調整走行(adjustment &  test-drive)の繰り返し かなり俺好みに仕上ってきた 好きなこととは云えメカニックの二人には感謝の思いだ、

 俺は孝ちゃんに尋ねた 「ねー コウちゃん彼女欲しくないの?」 孝ちゃんキョトンとした様子で 「私?正直 女性には興味ないの リュウ 知ってるくせに!」 俺は幸ちゃんの返事に当惑しながら 「御免、本当に 俺 解らないから聞いているの それで寂しく無いの?」 訴える様な目付きで 「寂しいわよ!、でも 自分でも如何する事も出来ないの・・リュウ愛してくれる?」

 俺は返事に慌て 「エェー おいおい 俺は無理だよ! 女好きだから」 幸ちゃん独特の演技であろう 「どうせ私は化け物だから・・」 本当に悲しそうな顔をみせた 俺は慌て言い訳を探し 言った 「そう言う訳じゃ無いよ!変な言い方だが 幸ちゃんは女以上に女だよ」しまった!これじゃ否定しているようだ! だが幸ちゃんは「冗談よ!リュウは本気に聞いてくれて 嬉しいわ」 俺はホッとして 「苦しんで来たんだね、誰か孝ちゃんを理解する良い人見つかると良いね」

 「いるわよ」 「ほんと!よかったね」 「リュウの鈍感! リュウがいるじゃない!」 俺の驚きの顔見て 「しつこいと思っているんでよう 解かっているわよ 何も云はないで! ・片思いそれでも良いの このままそっとしといて お願い!ね」 俺はどうしょうも無いなと言う態度で 「全く!・・解ったけれど俺には如何する事も出来ないよ!、早く相談出来る人見付けろよ!」 珍しく井原君が私的な事に重い口を開き ぼそっと 「そうだよ 誰かキットいるよ、良い人見つかると良いね」 心配そうに幸ちゃんに語りかけた

 孝ちゃん、急に少し涙ぐみ 「バカ!皆優しい事云はないで、今まで皆に片端者あつかいされて、本当に嬉しいの」 ・・俺は急に以前の妻、美奈子の事を思い出し 「孝ちゃん、美奈子だったら 孝ちゃんの事、人間で最も進化した人だと きっとその様に言うよ」

 孝ちゃん大きな目をもっと見開き 「リュウ、美奈子ってだれよ」  思わず美奈子と云った事を後悔した 「孝ちゃんの知らない人、俺も孝ちゃんは片端、何て思ってもいないよ、本当に人間の一番進化した形なのかも知れないよ」 「進化!なんって御世辞でもうれしいわ・・本当!リュウは人を乗せるのが、うまいんだから」 「俺は乗るほうだよ」 と言いながらレース・カーを指さした、幸ちゃん笑顔で 「ほんとうだ!私が乗せる方よね」 パドック内は笑いに包まれた、

 俺は井原君の言葉に驚き、井原君の重い口が開いたことの嬉しさで、二人に向かって 「幸ちゃん本当にそう思うよ!・・ヨーシ!今日はマシーンの調整も順調に仕上がって来たし、これ位にして、スクール宣伝ブースの監督達の所に手伝いに行こうか?」 二人を促す様に観客席近くのスクールの宣伝ブースに向かう。

 鈴鹿紹介.jpg久美ちゃんと竹田君が仲良くスクールの宣伝ブースで働いている 「クミちゃんもう良いの?」 「はい、おかげさまで 気の迷いだったそうです、誤ってくれました でも 何か納得出来ないわ!」 「クミちゃん!もう黙って許してやれよ」 「はい そうします 有難う御座いました」

 コウちゃん目敏く 「リュウ 久美ちゃん何か有ったの?」 「なんでもないよ 犬も食わないってやつ」 コウちゃん そう云う処察しが良い 「なんーだ 知和喧嘩なのね! 仲が良いから」 「ほんと バカらしい そんなところだよ」 本当は大分深刻だった様だ、

 「タケちゃん 久美ちゃんに心配かけるなよ! あんなに良い子はいないよ ・・もっと大事にしろよ!」 竹田君気まずそうに首に手を充て 「はい 心配掛けました 有難う御座います」また忙しそうに仕事に戻った 孝ちゃん 小声で 「大変ね でも 皆リュウちゃんを慕っているから」

 「監督は経営の事で頭使っているから 少しは手助けしなければね」 「だからリュウの事 皆好きになるのよ」 俺は少し照れ気味で 「もうー 孝ちゃん煽てるなよ!明日はタイムトライアルだから 頼むよ」 孝ちゃんは俺の耳元で 「リュウ!私知っているのよ」 「何が?」 「引き抜きよ! 私さっき聞いちゃった 凄いのね!」 俺は驚き! 「まだ何も分からないよ 皆には絶対内緒だよ! バラしたら許さないよ!」 孝ちゃん得意そうに片目をつぶり俺にウインクしながら 「その位 分かっているわよ」

 俺は孝ちゃんを皆と離れた場所に連れて行き 念の為 「俺の口から監督に話すまでは 誰にも云うなよ、それと孝ちゃん女の気持ち判るでしょう?」 幸ちゃん真剣な顔で 「ええ まぁーそれが何か?」 久美ちゃんと竹田君の事を詳しく説明し 俺が久美ちゃんにアドバイスした事が良かったか尋ねた、

 「リュウ それで良かったと思うよ、責めれば責めるほど男の心が離れてしまうのに 女は自分以外の女性は許せなくなるのよ、それで彼を攻め立てその女性を彼の心から抹殺したいのよ 自分の方が絶対上と思いたいの、人には優劣を付けられないのにね それが女心、色々な好みが有るのにね 大丈夫よ久美ちゃんはそんなに馬鹿じゃないから」 水を得たりと得意げに話す 「なら良いが?恐いね!」 「そうよ リュウも気を付けなさいよ」 

 「リュウ、久美ちゃんは本当に大丈夫よ・・それより リュウの婚約者ヨシ子さん リュウが惚れたの解るよ! 普段は自分に厳しい人だが リュウには完全に女になって凄く素直で可愛いい人ね、あんなに可愛い人いないよ その上リュウを見つめる目 可愛い子供を見守る様な あれは女性と云うより母親の目よ、悔しいけど負けたわ リュウ大事にしなさいよ」

 俺は笑いながら 「俺は餓鬼だからな、本当にそう思ってくれるの? ありがとう!」 俺が心無く云ってしまった女性の名前気にしているのだろう 「当たり前でしょう、美奈子って誰か知らないが 男は直ぐに浮気するから リュウ! ヨシ子さんを泣かさないでね」 美奈子って まずい事言っちゃった 言い訳は尚へんに思われるから それには触れず 「オォ! ありがとう 大事にするよ」 それ以上の 孝ちゃんの 追及が無くポットする。

 翌日、天候も良く暑い位だ Free Practice(フリープラクテス)1’42.522秒で四番手始めてのコースではsuzuka.jpg上出来だ、監督 眼鏡越しの驚きの目を輝かせて 「リュウ良くやった!午後からQualifying(予選)だぞ 気を抜くな」 「はい 皆の御陰です 何時も夜遅くまで有難う、井原君とコウちゃん S字カーブから後の逆バンクでフロントが流れてしまってスピードがそのままキープ出来ないんだ ダンロップコーナーまで 此処が一番重要だから」

 孝ちゃんマシーンを調整する時は真面目に 「リュウ 了解よ! フロントウイングもう少しダウンフォース掛けるね、リュウはお昼食べて 少し休んでね その間に直ぐ調整出来るから」 「ありがとう」 午後から三回の一番良いタイムが採用される、ヨシコの言葉を思い出し冷静にを心がける 孝ちゃんの調整が良く 1’42.036秒貴重なタイムアップ 三番手に決まり 上々の出来だ!、これで 明日の決勝レースに望める、

 孝ちゃん 「リュウ凄いわね、前のドライバー何時も10番前後よ」 「そうだったの? コウちゃん達の調整が良かったからだよ 有難う、暑さで負けない様にレーシングスーツに風入る様にしてくれて ドライブし易くなったよ、それに井原君のエンジンの調整力は抜群だよ、立ち上がりも以前より かなり良くなったよ」 「リュウの実力よ だから..」 俺は慌ててコウちゃんを睨み付けた

 7月12日 鈴鹿 いよいよ本番 suzuka-s.jpg

 天候:晴 コース:ドライ 気温:30℃梅雨明け湿度も高い俺達ドライバーに採って暑く辛いコンデションの中で43週の長丁場だ、

 孝ちゃんと井原君がコース上のマシーンサイドで俺を迎え、例の如く 俺がマシーンに乗り込むのを待って 安全ベルトを締め 確り締まっているか確認後 俺に向けて孝ちゃんが親指を立て グッドラック!の賭け声がヘルメットごしに聞えた 俺も右手の親指立て返事の合図を送る、

 エンジン スタートの合図があり 俺はスタートボタンを押す ”キュルキュル フォフォーンフォーンフォーン” レース用エンジンの高回転な独特な音が一斉に響く、バッテリーを外し 各チームのメカニックやレースクイーン達がパドックに引き揚げる、

 スタートランプがグリーンに変りフォーメーションラップがスタートした、先導車に従いRPMパターンをバーンアウトにセットし俺は時々蛇行運転しながらニュタイヤの皮を剥き同時に適正温度に暖め路面との接触を良好に保つ 監督から路面温度44℃と聞かされた少し高い、車の油圧 水温 等確認し デモンストレーションの一周が終りスタートラインの三番グリッドに付く、

リュウヘルメット1.jpg この緊張感は大嫌いだ!、何時もの事ながら回りのドライバーが気になる 胸は最高に高鳴り、本当はライバルは自分自身! 先ず自分を超える事からだ やっと其のことに気が付てきた、

 バックミラーで後方うを確認13台全マシーンがグリッド定位置に付いたであろう、バーンアウトからスタートにセットする クラッチバドルを引いて シフトバドルでギヤーを入れる アクセルペタルを踏み込む エンジンが吹き上がりリミッターで制御されているが回転数が跳ね上がる、あとはスタートランプを凝視 スタートを待つ 嫌が上にも緊張が最高潮になる、

 スタート合図のレッドシグナルが付き始めた、一斉にエンジン音が高鳴る 全ての不安が掻き消されランプに集中する、1・2・3・4・5ブラックアウト!

 よし行くぞ!同時にクラッチバトルをはなしギャーを繋ぐ 上出来のスsuzuka-start.jpgタートだ!そのままインをキープしサイドミラーで後続を確認 俺より少し離れている 3番手で第一コーナーを順調に無事抜けた、

 スタートのドキドキ感も消え 獲物を追う闘争心の狼に変わる、監督から無線だ 「後続4番は少し離れている、その上 スタートでフライング ドライブスルーペナルティの様だ 落ち着いてそのポジションをまもれ!」 監督の声など耳に入らない 前車との差が少しずつで有るが近ずく、

 俄然闘志が湧く 23週で2番手がピットイン給油だ、25週でトップがピットへ 監督より ピットに入れの指示 「次の週に給油とタイヤ交換だ!」  給油タイヤ交換も順調に進み3位をキープしたまま前車を追う、

 32週目 「よし 射程圏内に入った! プレッシャーを掛けるぞ」俄然闘志が沸く アウト側から並び掛け ブレーキと共にシフト ダウン 突然 5速目のギヤーァが入らなくなった

  「なんだ!如何した!」 危なく前車に接触寸前何とか右前輪を縁石脱輪し回避し 素早く何回もギヤー チェンジを試みるが だめだ! 「監督 5速のままギヤーが動きません!」 「何とか走れるか?」 「はい!何とか?

 だが 立ち上がりが悪く エンストを起こさない様に走るのが 精一杯だ! 監督からの指示が跳ぶ「そのまま走行キープしろ!」 此のレーシングマシーンには7速の変速ギア・トランスミッションが付いている、Rの小さいカーブでは なるべくアウトからインにコースの幅いっぱいに緩やかに試みるが 立ち上がりが悪く 一気に7~8秒ほど周回速度が落ちる4,5番手に抜かれてしまう 「あぁーぁ また駄目か! 何て事だ!」

 監督からの無線指示  「リュウ 諦めるな!最後までやれ!」 「はい! ・・クソ!何とかなってくれ !、入れ 入れよ!」 じりじりイライラした気持ちで..バドルを何回もシフトチェンジを試し続ける 自然にマシーン(車)に話かけていた「お願いだ機嫌を直してくれよ 如何したんだ 頼むよ!」

 其の度 幾度もギャーチエンジを試みる 偶々 何かのショックで噛んでいるギヤーが外れてくれた 電気的配線なのか機械的ギヤーの噛みあわせか?は解らないが37週目にまた何故か通常に回復した!

 「ヨシ ラッキー! 監督ギヤー直りました・・このまま続けます!」 ”よしいいぞ 其の調子 頑張ってくれよ” ..又マシーンと話していた 「あわてるな!そのまま いい子でいてくれよ! 少し調子を見てからだ」 監督からの怒鳴り声がイヤホンに響く 「リュウ 熱くなるな!冷静に!一周位は確認を取れ」 「大丈夫です 行きます!」

 今度は頼むよマシーンに話しかけ猛アタックを開始する、2、3周すると前を走る五番手が見える 最終コーナーから直線に入る もう止められない 俺の獲物を追うオオカミの血が騒ぐ、五回まで使えるエンジン・リミッターを外しアクセルを目一杯踏み込み 前車に追いつきピッタリ付きスリップストリーム(slipstream)に入る、

 相手の車の気流(負圧の力)を利用して牽引して頂き エンジンに負担をかけず追随する、第一コーナー手前でイン側に飛び出し風圧が急に掛かるが 何とか上手く追い越す事が出来た、もう監督の制止の言葉など上の空 尚も前車の獲物を追い求める、ハンターの血が騒ぐ もう監督の声など耳に入らない

 一周後前車四番に追いつき完全に射程距離に入る逸る気持ちを抑え冷静に1週 後ろに付いてプレシャーを加える よし!このS字カーブで抜ける、カーブ入り口でアウトに飛び込む ブレーキを我慢して 頭一つ出た このままキープだ、

 此処はお互い譲れず闘争心の激突だ、次のカーブうまくインに飛び込む車体がアウトに流れる、相手も抜き返そうとアウトから突っ込んで来る、フロントタイヤが軽く接触、

 反射的にカウンターステヤーを充てリアが滑る事を押さえマシーンを立て直す、マシーどうしが触れそうに迫るが何としても譲れない!何とか頭一つ出る、相手も並び掛けて来るが、ねじ伏せ逆バンクを抜ける事が出来、何とか抜く事が出来ダンロプコーナーを直線的に走り、最短距離で少しでも後続車を引き離す

 ..ヤッタぜ!、此れだ、このバトルが快感だ..三番の獲物を追う、前車の真後ろに迫ったが相手も強く百戦練磨、俺の攻撃を上手く左右を押さえる、また監督からの指示だ 「リュウ、聞いているか!冷静にしろ、テンション上がりすぎだ!」 「ハイ」返事はしたものの俺の闘争心に火が付き最後まで追回しバトルを続け、幾度となく並びかけたが鈴鹿ピット.jpg抜くまでに至らず、悔しさが残った43週、4番でチェカーを受けた、

 監督の声がヘルメットの中に響きわたる 「リュウ、良くやった!良くやった!惜しくも賞々台には上がれなかったが上々の出来だ、これでスポンサーも納得するよ」 例によって表彰式と全チーム集まった会食パーティーが行われ、他チームとの交流の場である、大分盛り上がっていた、皆から良いレーサー見つけたねと云はれて北原監督も上機嫌、中にはあからさまに家のチームで引き取りたいとまで出る、和やかな時間を過した後、監督やメカニックに後片付けや、レースーカーの運搬等お願いして、先に帰りたい生徒達とタケちゃん、久美ちゃん達とで帰る事にした

 帰りかけた時、監督から呼び止められた、眼鏡の奥の瞳が刺すように見えた 「リュウ、解っているだろうが熱くなるだけでは、レースに勝てないぞ、お前の悪い処だ!気持ちは解るが、もっと冷静に考えろ!」 怒りを堪えた声だ 「・・はい、すみません気を付けます」

 監督の言う通りだ、意地の張り合いのバトル接触事故でも起こし最後まで走りきらなければ意味が無い事だ、だがこれがレーサーの心情 良いも悪いも紙一重だ ヨシ子にも注意されていたのに 闘争心に支配されてしまい冷静な判断に欠けてしまった、駄目だな! もしかして俺の心に他のチームの監督にもっとアッピールする気持ちが働いたのかも知れない、メカニック達の最高のテクノロジーと監督とドライバーのヒューマンの結合で有る事を俺は忘れていた。

 俺は一刻も早くヨシ子の元に帰りたく 井原君と孝ちゃんにお礼を述べ早く帰りたい生徒達と帰途に着いた、マイクロバスはタケちゃんの運転で助手席に久美ちゃんが座りようやく定着指定席に収まった、もう家により話をする必要は無さそうだ、俺は生徒達と雑談して 生徒達はレースの感想を話していた、生徒の一人が離れた席から感激した様に 「龍崎さん マシーントラブルで残念でしたね、でも後半の追い上げ凄いと云うより あのバトル執念を感じました」 俺は監督への反発も少しあったのかもしれない 「君達も戦へば解かるようになるよ 勝たなければ 意味が無いから、まだまだ だよ、今日監督から注意されてしまったよ」 途中夜食を取り今日のレースの展開を生徒達の興奮した話し合いに 俺もレースを始めたばかりの頃を思い出していた、

 夜11時に横浜金沢柴町のヨシ子のマンション前に着き 生徒達とタケちゃんにお礼を言い汚れた下着やレーシングスーツ等を詰めたバック降ろし別れた マンション玄関よりエレベーターで上がりドァホーンを押した 「ハーィ」とヨシ子の明るい返事があり 俺はドァホーンに向かい 「鶴見さん!ハート付きの電報です!」 「ハーィ リュウ解るわよ!今開けます」ドアーが開き どちらかとも無く抱き合った。

     《結婚!》

 俺は気になっていた事を先ず訊ねた 「おふくろ 如何だったの?」 「リュウ リュウから報告して」 「分かったよ とにかくコーヒー飲みたいな、荷物を片付けてくるから」 その間にコーヒーを入れてむらい、一息入れ飲みながら マシーンが故障しながらも何とか4位になった事など それに竹田君達の事、最も肝心な 他のチームからの契約の誘いの件を話した 「凄いね リュウ やっと認められ良かったわね!、何か観戦したかったな」 ヨシ子は冗談顔で 「いよいよ リュウのマネージャーやらなくちゃぁーね・・それは嘘よ 自分の仕事有るし そんな事出来ないし 其れよりリュウに五月蠅いと言われ嫌われそう」「だよね!それより自分の仕事の方が大事だよ」「フフ リュウ ホッとした顔してる」 

 「それより、ヨシ子はどうだったの お母さん なんだって?」 ヨシ子が母との会話を思い出した様に顔が綻び 「私 お母様の事大好きになっちゃた」 「あんな厳しいお袋 なに云われたの!」 今度は俺を説いて聞かすように 「リュウは、甘えていて、お母様をちゃんと見ていないから、 お母様、云ってらしたわ、リュウには、一番甘えたい時期に、お父様が無くなり、可哀想だったが、四人の育ち盛りの子供を抱え、それ処では無かったて、お母様の実家の方の援助もなく、子供達全員高校まで行かせて お姉様とお兄様は自分で大学まで行かれたの事」 「お袋、そんな事まで話したの?」 「そうよ お姉さんも学校の先生 それに旦那様 東XXの大学院で教育学研究課程修了 次期教授候補だそうですね、いろいろあって今は教育心理学を研究されているのですね、それから お兄さん夫婦にも一緒に会いました 優しい方ですね、リュウは何も私に話さないから」

 「そんな事 俺とヨシ子に関係ないから」突然! 今までに無いキツイ声で 「関係あります!リュウが私の家を尋ねた事! 私がリュウの家を訪ねた事! 両家の協力が必要だからでしょう!」 「なにも そんなに怒らなくても 本当は俺の随一 自慢できることだよ」 少し押さえた様に 「リュウ、それならそれで素直に話したらいいのに 怒っている訳で無いのよ、現実に、私達二人だけで、生きているのでは無いのよ、それにお母さん、こんな事も言っていたわ、健司は変った子ですが、ヨシ子さんならあの子の事、理解してあげられる人だからって」

 今度は俺を諭すように 「ごめんね、リュウの気持ち判っているの、二人の愛情の問題だから、家族の自慢やそんな物でリュウを好きになって欲しくないと思ったからでしょう?良く判っているわ、そんな事で、私が変わると思ったの、..でもねリュウ、両親がいて私達がいるの、二人だけでは、リュウも私に会う事が出来なかったのよ、リュウがレース出来る事も皆さんの協力が有り関わっているからでしょう、もっと大人にならなくては、だめよ」 初めて、こんなに叱られてしまったが、あまり腹は立たなかった 「悪かったよ、ごめん」 

 「それでね 私も精神医学や心理学を習いたいとお話し、お兄さんと話が盛り上がり 楽しかった これからも色々お話ができるわ」 「あぁ 兄は会社勤めの間に お母さんの学習塾も手伝っているから」 「お姉さんも名古屋で高校の教師だそうね それに旦那さんは大学の教授、教育一家ね でも今の教育方針は嫌いですって ただ外面の形だけの理想を追いすぎているって、只外国の教育は良いと採り入れて 最っと日本の昔からの教育の良さ 何故良いのか悪かったのか 見直し考えるべきだと云っていましたよ、私もそう思います」

 「だから龍崎家 俺だけ悪い意味で異端児と云ったでしょう、そんな家庭に息が詰まりそうで、お母さんに悪いなと思いつつ何故か自分に嫌悪感を持ちながらも母や家族に尚更反発ばかりして」 又俺を優しい目で 「お母様がね、健司は一番甘えん坊で なかなか乳離れしなくて困り オッパイにお塩を塗ったんだってね、それと人見知りが激しく 何時もお母様のお尻の後ろに隠れていったて、あの学生を叱った人が今では考えられない 可笑しくなっちゃいました」 「そんな!・」 俺はただ頭を掻いた

 「お母様がね 何処が気に入ったか判りませんが、ヨシ子さん貴女で良かったわ 健司をお願いしますって、言って頂いたのよ 本当に嬉しかったわ」 「ほんとうに あのおふくろが? そんな事云ったの!」 

 実は、一昨日、土曜の夜、お母さんより電話で話があり、そんなに驚いては居なかった、..” 「お前にはもったいない位、お前の様な、糸の切れた凧のようにふらふら、何時までも子供の様に家族皆に迷惑かけヤンチャは、やっていられませんよ!、ヨシ子さんに確り助綱を握って頂かないと、素晴らしい人です、確りお願いしましたから、大事にしなさい」”..と云ってきた 「お前は二度目で、ヨシ子さんは言い出し難いと思うから、女性は結婚式楽しみにしているからお前から云って上げなさい」 と、聞かされていた

 俺はヨシ子に改まって 「俺まだ正式にヨシ子に申し込んでいないし、返事むらっていないよね!..ウッウン!エート、俺と結婚してくれる?」 ヨシ子は俺の気配で察したのか 「はい!不束ですが宜しくお願いします..リュウ、本当はもっと以前にムードのある場所で云って欲しかったなぁ」 「だよね・・!」

 「でも、あの雨の富士でお互いの確認取ったから、リュウの腕時計戴いたとき、どの位高価な物か知っていたし、リュウに断られると思ったわ、それを何の躊躇もなく私に預け、私を本当に信頼しているのだと感じたの、それにあの時、リュウのレーシングスーツ姿、カッコよかったよ、リュウに後から抱きついた、あの時に決めたのよ」 「・・」 「リュウはレースの事で頭一杯だったからね、あの時云って欲しかったな」 「ごめん、何か苦手でね!このままズルズルになるのが嫌いだからハッキリさせたかっただけだよ、そういえば 何時もその腕時計しているね」 ヨシ子は右手首にした時計に目を落とし 「そうよ、約束だもの それに何時もリュウが側にいてくれているようだから」・・・

 改めて俺の目を見て 「本当ね、言葉って大切よね もう少し気の利いた事 ・・少し期待外れだったけれど 雨の富士で私決めたのよ! これでケジメが付いたわね」 何か念を押された様な気がした 「そうか!それで、俺って鈍感だねムード台無しだね」 又何時もの笑顔に戻り「いいのよ リュウのそんな処も好いのかも」

 「ヨシ子、結婚式如何するの、何か希望有るの?ウエデングドレスとか、日本式か教会?」 急に抱きついて来て 「リュウ 嬉しいわ!ありがとう、..予定ねー?、カレンダー見てリュウの都合も有るし ゆっくり決めようね」 「ねぇー リュウにも聞いて頂きたいの」  改まった感じで俺に訊ねた 「何ですか?」 

 ヨシ子は座っていた椅子に姿勢を正す様に座り直し、真剣な眼差しで 「私の学校の事、お兄さんに会って 益々勉強したくなったわ、心臓病で手術待ちの子供達 国内にドナーが中々居なく外国でも絶望的に待たなければいけなし経費も凄く掛かるの、そんな子供達の精神的心のケヤーをしなければいけないと 益々強く思い、本音を云はず都合の悪い物、汚い物には蓋をしてしまう人たち、思春期の悩みや患者の悩み 先ず自分自身を見直し対処しなければいけないの」

 ヨシ子は言葉を選ぶ様に息を深く吸い込み意志ある力強い目で俺を見詰め、俺に解り易く説明した 「それで リュウ此れは真面目な話よ、以前リュウが哲学者みたいな顔をして云ったでしょう 例えば夫婦が肩を揉みあって、其処が良いのとか そこじゃぁ無いよとか 平気で言うでしょう、でも殆んどの人達の性行為はタブーしされ、ほとんど話し合いは無いと思うの特に女性は 不安で自分が正常で大丈夫なのか? こう感じたのよとか、こうして欲しい これでよいのか?お互い話あった事は無いと思うのよ、

 男も女も自分は正常なのか?その事で悩んでいる人が多いの、でも相談する場所も相手もないのよ、現に院内の若い看護婦からも不安で時々相談があるの、でも 私自身何も知らないから答えようが無かったの、お互い愛情があれば 相手の為になりたいと思うでしょう、だから私もリュウに感じた通り伝えたかったの

 リュウは意外と知っていたから本当に良かったけれど、私 自分の体 変になったって戸惑ったの、おまえ変だよ 変わっているって言われたら一生傷つき落ち込んでしまうでしょう、それだけではなく かるはずみに云った言葉で その人の大事な人生を一生狂わせてしまう事も有るのよ・・リュウ私の言ってる意味解るでしょう?」 「あぁ それ位解るよ」俺は実際に話の上では理解できるが 俺の女性へのイメージとかけ離れ戸惑いが有ったが何か凄く楽になり ある意味自分の欲望にも素直になれるような気がした、

 尚も自分のミルク・ティーにも手を付けず 真剣に話が続く 「それに女性特有の病気、乳癌や癌で子宮や卵巣を摘出手術を受ける人達、不安で一杯なの、其の上もう女では無くなるのか?、女性として生きて行けるのか?悩んでも、そんな事考えているのか!命の方が大切でしょうって云われそうで、女にとって大事な事なのに聞きずらいから質問も出来ない人が多いのよ、其処から考えたかったの、女性として子宮や卵巣だけでは無く、子供の問題や其の後、性交渉は出来るのか?夫婦にとって大事な事、悩んでも聞きたくても聞けないでいる人達が大勢いるの

 手術前後の心のケアも大切なの、此れもリュウが力説した通り当っていたわ、私も勉強したの、人の心や脳で大部分、体を支配する事が分ったわ、それによりホルモンバランスも左右されるの、その上で、夫婦間も含め、そう言った女性や思春期等の精神科を専攻したいの、どう思う?」 長い説明で有ったが、真剣である思いが俺にも伝たわり納得させられた 「どうって?そんなに、思い考えているのなら、いいと思うよ」 明るい顔で 「本当に、解ってくれて良かった!」

 「あたりまえだよ!お互い良いものを感じられる事が、ストレスも解消され、より互いの愛を深めるし、そう云う病気で、沢山悩んで居る人がいると思うよ、結婚しても、性行為が嫌いな人もいるし、不幸にも幼いときの体験やショックで恐くなり駄目な人もいるよ、女の先生の方が、女性同しもっと気楽に相談出来るし、それに想像の世界の説得よりも実感があって、説得力有ると思うよ、俺には専門的な事、解らないよ、日本では、大切な事なのに、いやらしく不純に思っている人が大勢いるから、本当はそう云う人ほどいやらしい人と思うよ、とにかく新しい取り組み、ヨシ子がやりたいと思うのなら、迷わず、やったら、今だから出来る事も有るし後悔して欲しく無いから、やって見なさいよ、生活の事は何とかなるよ」内心ちょと無責任な事を云ってしまって 不安と後悔があったが 何とか成るさと自信に言い聞かした

 「よかった!性の事も大事ですがリュウに判り易く例えばの話をしたの、もっと実際は生死に関わる事が多いいの、前にも話したでしょう、患者や対象者と話し合ってよりよい治療法方を探すのインフォームド・コンセント(innformed consent)に役立つの」 「ふ~ん」

 俺が不満そうに思えたのか 「・・リュウいろいろ知っているのね、驚いたわ!..学校、行って良いのね、なるべくリュウに迷惑掛けない様にするから」 「だから いいよと云っているでしょう それに医師でしょう人間の生態や体の仕組や本質 俺より数十倍知っているでしょう、其れにヨシ子の言う様に人の心が一番大事な事だよ、間違っているわけないよ 堂々として」 「有難う、優しいのね」 「お互い様だよ 俺も好きなことさせてむらっているから..ちょと待ってね」 俺は、小物入れのバックを自分の部屋に取りにいった、バックとノートPCを持ち戻った

ノートPC.jpg それは二人して鎌倉鶴岡八幡宮に行った時から心に響いていた事である 何故かと言うと 俺は家庭や子供の事など余り真剣に考えた事一度も無かった、勝手気ままに自分の目的以外余りにも自分本意であり 以前の結婚の時は美奈子の父の事もあり ほとんど考えた事は一度も無かったのに ヨシ子が子供を持ちたいと願った時に その重大さに初めて気付かされた思いであった 

 バックの中から 少し恥ずかしいが貯金通帳を全部出しヨシ子に黙って渡した、多分ヨシ子は俺の収入など全然充てにはしていないと思ったが 今正直にはっきりしておいた方が良いと思い ヨシ子「なに?これ」 「それで全部だよ!」

 通帳をめくり 「なにこれ!管理してもないじゃない ほんとう?」信じられない顔で「ゼロに近いよね!今までどうやって食べていたのよ?」俺は余り気にもせず「まあー それなりね ・・ほとんど車の部品などに化けてしまったよ・・」「それほどまで・・あきれた 人ね!」「 それより ヨシ子のお父さんに 言いがかり上 つい大きな事 言ってしまって・・恥ずかしいよ」

 ヨシ子は本当にビックリした顔で 「そうとは 思っていたが これほどとはね」 「それより毎月の収入を見て それで学費と生活費 何とか成ると思う?」

 ヨシ子改めて俺を見て 「ちょと待って 今頭が混乱して リュウはそんな素振り一度も見せなかったから、ネックレスとピアス買うときも こんなこと知っていたら 無理させんかったのに、その上スポンサー探しに苦労しているみたいでリュウの夢消したく無いし、だから私のお父様に頼んだの それとリュウのプライド傷つけたくなかったし 初めからリュウにお願いするつもりはないのよ」

 「だけど これからは俺が生活費 責任持たなければいけないでしょう? その俺の給料で生活費は何とかなると思うかなぁ~?」 ヨシ子は通帳をめくりながら 「私にもわからないわ!でもこれで出来る様にしなくてはね」・・もう一度通帳を見ながら「これって 毎月同じ金額が入っているのですね 思ったより頂いているのね、それなのに何処に消えたのかしら?」「”お足” って言うでしょう 特に俺のはレーサーだけに足が早いよ」「何ばかげた事云っているの 呆れた人ね! リュウは先月 余り務めに行かなかったのでは?」 

 「それは 給料と云うより契約ですから、アメリカの仕組みは必要で有れば毎年契約してくれます でも要らなくなったら切られてしまい 毎年不安だったが カーレースを本業にしたかったから 今までさほど気にはしていなかったの、 だから これからは日本政府からの方が安定しているって話した事有りますよね、レースでの収入は余り当てにならないし」俺は徐に別の通帳を取り出し 「それで こちらの別の通帳分はレースでの契約金やレースで得た賞金これは 俺に使わせて下さい 色々出費があるのでこれでも足りない位 いいですか?」

 ヨシ子はハッキリと 「ええ 勿論よ! 何回も言うようですが 初めからリュウに頼むつもりはないの! これはレースに必要なおかねでしょう?」 俺はほっとして 「じゃぁー いいんだね」 「リュウって わざわざ見せることないのに 驚かされる事ばかり? 子供か大人か解らなく成ったわ リュウに聞いても ”どうにか成るよ” だけで..そんな夢を追ってるリュウを見るのが好きになったのだから ・・仕方ないわ」

 「それで私のお金は如何するの?」本当に俺の金など充てにしていなかった、俺の夢を壊す事はしない覚悟で結婚に踏み切ったと思われる..とても其の心が嬉しく思った 笑いながら 「そうだね!此れからヨシ子の”ひも”でもやろうかな!」ヨシ子は笑みを浮かべ「リュウには出来るわけないよ きっとそんなリュウ自身が嫌になり 何れ破局よ!」

 俺は自分に言い聞かす様に「そうだよね! これから やってみなければ解らないよ 結婚するって こう言う事だよね」「ほんとに 子供なんだから」「うん! 此れから何が有るか解らないから それはヨシ子自身の為に捕って置いたら、銀行取引や振込みはインターネットで出来ますから それとネット銀行 此れは電気製品が好きなので ネットショップの為少しだけ ヨシ子もネット利用すれば、必要な分普通銀行から暗礁番号などもれ易いから そのつど振り込んでいるの 後で暗礁番号など教えるよ」 「それは後で考えておくわ」 「とにかく 今日はもう遅いから休もうよ、あまり言えた事ではないが 本当にヨシ子の進みたい事をやれば良いよ」

 ヨシ子はまだ信じられない顔をしながら 「でも正直に話してくれて ・・リュウは好き勝って自由にやっているかと思い 充てにはしていなかったの」「もう自分勝手やっていられないし これ以上誰にも迷惑掛けれないよ」「・・」「 まだレースの事で話したい事あるけど もう遅いから明日にしょう」

 俺は疲れと眠気を感じベットに、しばらくして睡眠前の手入れを終えたヨシ子もベットにもぐり込んで来て 「もうリュウが居ないと寂しくて、リュウの体どこか触っていないと眠れ無くなっちゃた!」 「あぁ、俺もだよ」 「ほんとうに?」 「あたりまえでしょう!俺はここかな!」 手を伸ばしてヨシ子の胸を触った 「フッフッフー・・・リュウは、お母様も話していらしゃいましたが甘えんぼうでオッパイ離れしなくて困りましたて・・それで今も大好きでしょう?」 「男はみんな好きだーよん~」

タッチおじさん ダヨ!.jpg アーァ!後は惰性で!..此処まで読んで下さり有難う御座いますストーリ【前編8】へ続きますクリックね《http://touch-me.blog.so-net.ne.jp/2012-09-26是非お読み下さる事お願いね


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ナベジュン

いつもながらサーキットとレースクイーンがniceでした!
ついグルメネタに目が行ってしまいますがバイキングの画像が美味しそうでした。
写真の(うまいもの横丁)が興味あります。
by ナベジュン (2013-01-26 13:20) 

ちゅんちゅんちゅん

こんばんは!
熱い恋愛指南から
もっと熱い世界が展開されて
「次、どうなるの~?」って(^^)
予想するのも 楽しいですね~♪
by ちゅんちゅんちゅん (2013-06-13 00:10) 

ちゅんちゅんちゅん

こんにちは!
認証コードありがとうございます(*≧∀≦*)
思わずスマホからコメントしちゃいました!
寒い~( ̄0 ̄;
テンション上がる章を読み返します(^^)v
by ちゅんちゅんちゅん (2013-11-28 17:54) 

つなみ

とりとめなく、更新しました(*´∇`*)ノシ
by つなみ (2014-01-27 10:49) 

ちゅんちゅんちゅん

こんばんは~(⌒‐⌒)
残暑お見舞い申し上げます!
豪雨で被害が相次いでいますが
そちらは大丈夫ですか。
地元は猛暑日続きでバテバテです☆
にゃんこのスプレー攻撃が再開してしまい
後始末に追われて1日が過ぎてます(T^T)
by ちゅんちゅんちゅん (2014-08-20 23:04) 

つなみ

タッチさん、いつもありがとう(*´∇`*)
by つなみ (2014-10-01 18:51) 

たあきよ

レーサーの小説いいですね!
フォーミュラニッポン、この時のレースは台数少ないですよね…。でもたくさん観戦しに行きました。スイフト製のマシンの形好きです。
富士や鈴鹿のサーキットから鎌倉や~情報もいっぱい。
少しづつですが、楽しみに読ませていただきます♪
by たあきよ (2014-10-11 11:00) 

mimimomo

こんにちは^^
結婚するって覚悟がいりますよね~我が家の相棒はどうも覚悟なんて「考えもしな」ことだったみたい^^
by mimimomo (2015-09-02 09:41) 

つなみ

大寒波による大雪ですね。
お被害などありませんよう、ご無理などなさらずにご自愛くださいませ。
まずはお見舞い申し上げます。
また来ますよー(*´∇`*)ノシ
by つなみ (2016-01-24 18:54) 

mimimomo

こんばんは^^
いつもご訪問ありがとうございます♪
今目の調子も良くなく細かい字を読めないです。
斜め読み(-、-
by mimimomo (2017-10-30 18:51) 

mimimomo

こんにちは^^
明日は鎌倉に行こうと思っています^^

by mimimomo (2018-02-06 13:47) 

mimimomo

こんばんは^^
昨日、天園ハイキングコース歩きました。
茶店は無くなっていましたが、茶店跡の少し下に
別の茶店が出来たようです(寄らなかったから、詳しいことは分からないです)
by mimimomo (2018-02-08 19:14) 

mimimomo

こんにちは^^
朝晩は随分涼しくなりましたね。でも日中はやはりまだ暑いです。9月の中頃には一度お花を見に鎌倉へ行こうと思っています^^
by mimimomo (2019-08-26 16:07) 

mimimomo

こんばんは^^
今日は外が暖かい、と言うか生暖かいです。
家の中は暖房がいるくらい冷えてしまって(--
明日からは本格的に寒いのかしら。
by mimimomo (2019-12-02 18:12) 

mimimomo

こんばんは^^
武漢コロナ、何時終息するのでしょうね。
危なくて出かけられないです(-。-
by mimimomo (2020-03-09 19:14) 

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